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「大学ユートピア特区」とは何か?(4)
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「大学ユートピア特区」とは何か?(3)

 本ブログで警鐘を鳴らしている「大学ユートピア特区」がらみで新たな動きがあった。

 『京都新聞』〔平成25年6月1日〕の1面に以下の記事が掲載された。
  ※電子版〔5月31日23:00〕も御覧頂きたい。

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京の創造性、30年後も 未来懇がビジョン2040発表


 京都の行政や経済、大学、伝統文化などの代表による「京都の未来を考える懇話会」は31日、30年後の京都像「京都ビジョン2040」を発表した。 「世界交流首都・京都」を掲げ、皇族の一部に京都に居住してもらう「双京構想」や留学生5万人計画の実現、リニア中央新幹線の京都駅ルートの推進など具体 策を盛り込んだ。

 山田啓二府知事、門川大作京都市長、立石義雄京都商工会議所会頭、松本紘京都大総長、柏原康夫府観光連盟・市観光協会会長、池坊由紀華道家元池坊次期家元が2010年4月から議論し、白石方一京都新聞社会長兼社長がコーディネーターを務めた。

  ビジョンは、文化庁、観光庁機能を担う「世界の文化首都・京都」▽留学生5万人の実現を目指す「大学のまち・京都」▽地産地消型エネルギーの普及による 「原子力エネルギー・ゼロ」社会に転換する「価値創造都市・京都」が柱。基盤整備として京都駅を通るリニア誘致などインフラ整備も盛り込んだ。

 この日、7人が京都市下京区のホテルで会見し、立石会頭は「知や精神、人と人、文化や産業の大交流をつくり出し、減少する定住人口をカバーして活気と創造性のある京都であり続ける」とビジョンの狙いを語った。

 山田知事は双京構想について「皇室の弥栄(いやさか)を願う。日本に新しい首都をつくり、心と文化をはぐくみ、人づくりや知恵の集積を図る」と話した。

 門川市長は「リニアを京都駅に通す取り組みが喫緊の課題だ。経済効果が高いことも明確だ。幅広い理解を得たい」と話した。

 懇話会は、ビジョンを政府などに提言する。年1、2回、会合を催し、進捗(しんちょく)を確認していく。
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 「大学ユートピア特区」と関連するのは「留学生5万人の実現を目指す『大学のまち・京都』」という部分である。

 この部分について、同日の26面は次のように報じている。
  ※この記事は電子版に掲載されていない(何らかの底意があるのか?)。

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いざ、大きな未来へ 「京都ビジョン2040」発表


 京都の未来を考える懇話会が31日発表した「京都ビジョン2040」は、皇室の一部を招く「双京構想」や留学生5万人の実現、リニア中央新幹線の京都駅誘致といった大きな目標を掲げた。懇話会メンバーは30年後の達成を見すえ、会見でビジョンの意義や実現の道筋を訴えた。

 双京構想は皇室を迎えることで、京都を東京とは異なる文化的首都に位置づける狙いだ。京都府の山田啓二知事は「日本の価値を見いだせる首都をつくり、バランスの取れた国づくりに資する」と主張した。華道家元池坊の池坊由紀次期家元も「皇室の方が安心して公務されるためにも、京都がふさわしい」と述べた。

 「世界交流都市・京都」を訴えるビジョンにとって留学生5万人
は柱の一つ。ただ、2012年5月現在で府内の留学生は約6700人で、7・5倍に増やす必要がある。京都大学の松本紘総長は少子化で日本の若者人口が減る事情から「5万人の目標で活気あるまちを維持したい」と話し、奨学金や学生寮などの充実が必要とした。

 東京―大阪を1時間で結ぶリニアは現行計画のルートでは「奈良市付近」に駅が設置される。京都市の門川大作市長は「40年前に採択された計画を検証もせずに進めることはありえない」と強調した。ビジョンは府南北のアクセス向上や舞鶴港を門戸とした海外交易の拡大もうたう。府観光連盟、市観光協会の柏原康夫会長は「日本海側の整備はどうしても必要。鉄道網と道路網の整備が構想実現のインフラだ」とする。

 ビジョンに関して京都新聞社の白石方一会長兼社長は「京都の未来を考える機運が一層高まり、前向きな議論が盛り上がれば」と期待し、京都商工会議所の立石義雄会頭も「今回の提案は京都の30年後のデッサンだ。京都の皆さんが肉付けして初めて完成する。絶えず変化に注目しながら、修正し、新たな知見を見いだしてもらえれば」と願った。

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 この記事で注目すべきは以下の2点であろう。

 第一に、「皇室の一部を招く」・「皇室を迎える」という皇室に対する不敬表現。
 京都新聞社・読者応答室 
075(241)5421

 第二に、留学生受け入れ拡大に関する松本紘京大総長の発言。留学生受け入れのリスクに無頓着な松本総長は「グローバルエリート」の育成を目指して〈国際高等教育院〉やら〈リーディング大学院思修館〉やら訳の分からぬ新組織を学内に設置している。
 京都大学・代表 
075(753)7531
 
渉外部広報〔社会連携推進室〕 075(753)2038

 驚くべきことに
、この「京都の未来を考える懇話会」の事務局は京都商工会議所の企画総務部に置かれている。事務局が京都府や京都市に置かれていたならば、如何なることが話し合われて上記の結論に至ったかを情報公開請求を通じて知ることができる。だが、商工会議所は民間団体なので議事録を請求する手だてがない。企総務部に問い合わせたところ、議事録は存在しているそうだが外部者の閲覧はお断りするとのこと。「ビジョン2040」をまとめた冊子は近いうちに刊行予定されるというが、大事なのは結論ではなく議論のプロセスである。

 そもそも、「大学ユートピア特区」という国家主権に関わる問題が一民間団体を事務局とする懇話会で方向づけられ、なおかつ議事録すら閲覧できないという秘密主義を許してよいものだろうか。
 京都商工会議所・企画総務部 075(212)6402

この問題について、本ブログではさらなる追求を重ねる所存だ。皆さんからの情報提供をお待ちしている。

JUGEMテーマ:行政
 
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